(写真提供:越乃さん 以下すべて)
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第130回は「人生の道しるべ」です

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人生の道しるべ

物を極力持たない私が、何度引っ越しても必ず一緒に連れて行く本があります。
美輪明宏さんの本です。
家の本棚には、美輪さんの本が並んでいます。
気づけば一冊、また一冊と増えていきました。

その始まりは、『紫の履歴書』でした。
初めてその本を手に取ったのは、いつだったのか。
まだ宝塚にいた頃だったのか、それとも退団してからだったのか。
肝心なことは思い出せないのに、本を閉じたときの衝撃だけは、今でもはっきり覚えています。

「なんて格好いい人なんだ」
独自の美学を貫き、男だから、女だからという枠組みなど、まるで最初から存在しなかったかのように軽々と飛び越えていく。
その姿は、男役をやっていた私にとって、憧れを超えて「こういう生き方もあるのか」と目を開かせてくれる存在でした。