テレビ番組や雑誌の星占いをついチェックしたり、人生の転換点で運勢を調べたりした経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中、心理占星術研究家である鏡リュウジさんは「『占いなんか信じない』と多くの人が思いながら、その需要が尽きないのはなぜなのか」と問います。そこで今回は鏡さんの著書『占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか』より一部を抜粋し、「占いという謎めいた営みの魅力、魔力、その本質」をお届けします。
少女たちの夢を叶える雑誌
僕がタロットや占星術と出会ったのは1970年代後半。あっという間にその世界に耽溺したのですが、中学生になると、さらに熱中するようになりました。
その頃、級友のお姉さんが教えてくれたのが、少女向けの占い専門月刊誌『マイバースデイ』(実業之日本社)でした。1979年創刊の『マイバースデイ』のキャッチコピーは「愛と占いの情報誌」。毎月・毎日の星占いや、各種の心理テスト、おまじないなどの他、ティーンズファッション、ビューティーケア、ダイエットなど10代女性が関心を持つ記事も扱い、全盛期は公称40万部の人気雑誌でした。
表紙は少女マンガ家による絵で、いかにも少女向けの雑誌だったので、恥ずかしいなぁと思いながら毎月こそこそ本屋さんで購入していたことを今もはっきり覚えています。他の雑誌も一緒に買って、『マイバースデイ』は妹のため、みたいなポーズをとったこともあったかもしれません。
『マイバースデイ』には読者が実際に占いやおまじないを実践するための手引きも掲載されており、何人かの占い師が執筆していましたが、中心的な役割を担っていたのがルネ・ヴァン・ダール・ワタナベさん(1942~2011)。「恋の魔女っこ入門」(のちに「魔女っ子入門」に改題)など、恋を成就させるための占いやおまじないを紹介する企画などを担当されていました。創刊翌年には会員制度が生まれ、約3万人が応募したとか。とにかく、多くの少女たちの心をとらえた雑誌だったのです。