片づけにまつわるエピソードを「共作小説」に
片づけコンサルタントとして国際的に活躍している近藤麻理恵さんと、「悪人」「君の名は。」など話題の映画をプロデュースするかたわら、小説家としても多くの作品を生み出している川村元気さん。この2人による共作小説「おしゃべりな部屋」の連載が、10月4日(日)より読売新聞にて始まります。
近藤さんがこれまで片づけてきた部屋は1000以上。その体験談をベースにして、川村さんが片づけとモノと記憶にまつわる物語を編み出していきます。
そもそもこのコンビが誕生したきっかけは、ここ数年、海外での仕事が増えてきた川村さんが、外国人からたびたび近藤さんの話が出てきて、近藤さんの「片づけ」が世界中に響いていることに興味をもったこと。
実際に近藤さんから片づけた部屋の話を聞くと、そこには面白いエピソードが宝の山のようにあったという川村さん。片づけは記憶を整理していくことでもあり、部屋の数だけ人間ドラマがある。そんな実体験をベースに物語を作ることになりました。
近藤さんが提唱する片づけの方法は「ときめくかどうか」で残すものを選ぶということ。そうして自分の内面を見つめることで、「どういうものに囲まれて生きたいのか」という自分の価値観を発見する手がかりにもなるというものです。
近藤さんのメソッドについて、「ときめくという基準はメソッドというよりも第六感的で、人類の大半にわかる感覚」ととらえたという川村さん。そして、近年「目に見えないけれどそこにあるもの」をテーマに物語を作りたいと考えていた自身の思いともつながっていったそうです。
物語の主人公は、ミコ。家の片づけを手伝う仕事をしている彼女には不思議な能力があります。それは部屋の中のモノの声が聞こえるというもの。依頼人たちは片づけられないのか。なぜ片づけるべきなのか。片づけノウハウを交えながら、人とモノにまつわる物語が描かれていきます。
「この話を読むことで、自分の持っているモノや一緒に暮らす家族、あるいは自分の生き方について見つめ直す機会となり、また、家での過ごし方、その部屋にいて心地良いかどうかを考えてもらえたら」と近藤さん。
連載記事は、毎月第一日曜から1週間、読売新聞に掲載されます。家での過ごし方が変わってきている昨今、さまざまなストーリーにふれるなかで、自分の暮らしや生き方を見つめなおすきっかけにもなるかもしれません。
※この連載はWEBでも配信されます。サイトはこちら