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2022年1月９日、東京の両国国技館で開幕した大相撲初場所もいよいよ千秋楽を残すのみとなった。横綱・照ノ富士は3敗を喫し、波瀾の展開に。大関・貴景勝は残念ながら4日目からケガで休場。全勝で折り返した関脇・御嶽海が2敗で独走、幕内3回目の優勝杯を手にすることはできるのか？『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります

前回「『集中力抜群の力士』に変身した御嶽海を1敗の照ノ富士が追い、後半戦に突入！」はこちら

巴戦は見たいが照ノ富士の膝も心配・・・

大相撲初場所は、初日には予想もできなかった波乱の展開で千秋楽となる。
相撲史上103年ぶりの新横綱からの3連覇を狙う横綱・照ノ富士がまさかの3敗。関脇・御嶽海が2敗なので、１敗の差で照ノ富士が追うかたちとなった。3敗は、前頭６枚目・阿炎と前頭14枚目・琴ノ若もいる。

千秋楽は、まず阿炎と琴ノ若が対戦、結びには照ノ富士と御嶽海が対戦する。照ノ富士が御嶽海に勝つと、阿炎と琴ノ若のどちらか勝った方と3敗で並ぶ。３名での巴戦(連続して2勝した力士が優勝)の優勝決定戦となる。見たい…が、照ノ富士の膝への負担も心配だ。

しかし、御嶽海が勝って３回目の優勝をすれば、長年期待を裏切られてきたファンは、コロナ禍なので、自宅で喜びの酒を飲みすぎ、喜び食いをしすぎることだろう。大関に昇進させるか、させないかの話にもなって、相撲ファンも盛り上がる。

御嶽海は、今場所は顔つきからして厳しくなり、迷いのない前進力を見せている。しかし10日目に前頭4枚目・北勝富士に負け、12日目に前頭5枚目・阿武咲の引き落としにばったりと土俵に両手をついた。12日目には照ノ富士も小結・明生に土俵際での肩透かしにより土俵から飛び出してしまった。照ノ富士は6日目に前頭３枚目・玉鷲に負けてから、相手に好きなように取らせてから勝つという「横綱相撲」を、初めから攻める相撲に変えたので、すぐに相撲を変えられるのはさすがだと思っていた。

14日目、阿炎は、照ノ富士にもろ手突き、突っ張り、強烈なのど輪と、これまで作り上げた相撲力を全部披露する相撲を取り、いなしも効いて圧勝した。先場所も優勝にからんでいたのに照ノ富士に敗れたので、その悔しさを全身に込めたようだった。

横綱は、たとえ後半になって疲れていても、膝の調子が悪くても、対戦相手は研究し、全力で向かってくる。そういう大変な地位なのだ。そして二桁の勝利は当たり前に期待され、優勝しなければ、引退も考えなくてはならない。