貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第12回は「大学生活の充実は飲み会で決まる」です。
参加費3000円の飲み会
周囲との経済格差を顕著に感じるようになった大学生時代。
大学では高校までと違って、知り合いゼロスタートに加えクラスもないし、何もしなければ友達ができない。サークルにも入らなかった私は、友達はほとんど出来なかった。
それでも、よっ友(会ったらよっ!と声をかけるくらいの浅い付き合いのこと)はいたし、何より群れなくても浮かない空気感があったためそんなに困ることもなかった。
ただゼミの前身のようなグループ学習(1人の教授のもと学籍番号で割り振られた10数人の生徒と学ぶ)で孤立してしまう出来事があった。
親睦もかねて、任意参加の飲み会があったのだ。参加費が3000円したので、私はお金がなくて断っていた。すると、飲み会の後のグループ学習では、信じられないほど全員打ち解けていたのだ。合間の会話でも、「誰が一番酔っぱらうとキャラが変わるか」といった話題になり、私だけ会話についていけなかった。
その後も毎回飲み会を断ったため、「付き合い悪い人」認定もされてしまった。
その結果、1~2回生の間、私のキャンパスライフはかなり静かで少し寂しいものとなった。
そこで悟ったのだ。飲み会の費用は、大学生活に絶対に必要な経費なのだと。