「(無名塾の)選考の基準は、その人の持ってる存在感、言い換えると色気ですかね。人間としての魅力というか、色気ですね。それが出るのが持って生まれた役者の才能かな、って気がします。」(撮影:岡本隆史)
演劇の世界で時代を切り拓き、第一線を走り続けるスターたち。その人生に訪れた「3つの転機」とは――。半世紀にわたり彼らの仕事を見つめ、綴ってきた、エッセイストの関容子が訊く。第5回は俳優の仲代達矢さん。仲代さんの役者になるきっかけは、アルバイト先の競馬場での出会いだったそうで――。(撮影:岡本隆史)

<前編よりつづく

役者百面相、結構じゃないか

そして第三の転機は1996年の恭子夫人の死?それとも77年の無名塾塾生の公募開始?

――無名塾のほうでしょうね。これも宮崎が言い出したことで、私たちのところから素敵な役者が一人でも出るといいな、ということで始まった。それで僕は養成所時代、月謝が払えなくてアルバイトに明け暮れたんで、月謝はなしにしてその代わりアルバイトは禁止にしました。

選考の基準は、その人の持ってる存在感、言い換えると色気ですかね。人間としての魅力というか、色気ですね。それが出るのが持って生まれた役者の才能かな、って気がします。技というのは、あとから訓練すれば磨けますからね。