婦人科医の高尾美穂さん(左)とエッセイストの安藤和津さん(右)
孫2人のお守りでいつもヘトヘトという安藤和津さん(74歳)。多くの女性をみてきた婦人科医の高尾美穂さんが、50代以降の「しんどさ」の原因を解説。年を重ねても心身ともに元気でいるための秘訣を教えます。前編では、安藤さんが更年期を迎えた際に、身に起こった体調の変化を語ってもらいました。後編では、心と体の健康を保つための、具体策について迫ります(構成=村瀬素子 撮影=須藤敬一)

<前編よりつづく

毎日同じことをして変化に気づけるように

高尾 先ほど未病の話をしましたが、心の不調を自分で整えようとしても、なかなかうまくいかない。そこで私は、心が不調な時には運動をすすめています。というのも、心と体は連動しているため、体の調子から整えたほうが結果は出やすいからです。

安藤 わかります! うつ病でつらかった時、整体の先生にすすめられた体操をしたり、近所をウォーキングしたりしていたら、心も上向きになっていきました。それと最近、孫たちと日々遊んでいるおかげか筋肉がついてきまして。この歳でも体は鍛えられるのだな、と感激していたところです。

高尾 人間の体は衰える一方ではなく、何歳からでも鍛えることで維持・向上できます。その最たるものが筋肉。90代でもトレーニングで筋肉量が増える、というデータもあるんですよ。

安藤 90代でも? すごい!

高尾 運動することによって、姿勢の維持、心肺機能の向上、コレステロール値を下げる、ストレスを感じさせるコルチゾールというホルモンが減る、熟睡できる、気持ちが前向きになるなど、いいことずくめです。