自分の中にある音楽の世界を追求したい

さて、その笠置さんの廃業時の年齢をはるかに過ぎた私でありますが、健康面で問題を抱えているにもかかわらず、今以てまだ歌うことを諦めてはいません。

その理由は一つ。

私は、私にまだ興味があるからです。

プロとして演歌というジャンルを長く歌って来た中で、自分の中にそれ以外の歌や音楽があることに気づき、その世界をもっともっと追求したいという強い思いがあるからです。

「私の歌は何処に辿り着くのだろう!」というワクワク、「今までにまだ見ていない表現の世界がある!」というドキドキがあるからです。

この歳にしてまだ「夢」を持ち続けていられることは、歌手として何よりも恵まれたことだと出会ったすべての人たちに感謝しています。 

しかし私も、そんな「夢」を見られなくなったとき、迷うことなく違う生き方を選ぶのだと思います。  

(写真提供◎photoAC)