「時間がない、忙しい」という大義名分で身を守る
海外旅行もそうです。
海外旅行を頻繁にしない方にとっては、日常から離れることはちょっと怖いことです。勇気もエネルギーもいるし、実行の過程でトラブルが発生するかもしれません。
そこで傷つくくらいなら、「いつか行こう」くらいに留(とど)めておいた方が、傷つかないし、めんどうくさくないし、ストレスもないのです。
やったことがないけれどやりたいことは、実現の過程で傷つく可能性があるので、誰にとっても本当は怖いことです。
何より、うまくいかなかったら、とても傷つきます。
だからこそ「時間がない、忙しい」という、誰もが納得できる大義名分を使って自分や周囲の人を納得させます。そうして、自分で自分を誤魔化すことで、傷つく可能性から身を守っているのです。
このように時間に追われている方に、よくよく話を聞いてみると、実際はネット上でダラダラと時間を浪費しているといいます。
余計なことや無駄なことに時間を使っているだけで、時間が作れないわけではないことが多いものです。
時間がないという大義名分は、自分で自分を誤魔化しているという恥ずかしさや情けない感じまでも隠してくれます。
これもナイトくんの働きです。
※本稿は、『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(著:橋本翔太/サンマーク出版)
なかなか解決できない悩みのすべては、心に住む「もうひとりの自分」が引き起こしていた。
あなたの知らなかった「あなた自身」の謎を解き明かしながら、
誰かに頼るのではなく、あなたがあなた自身を助けることができる方法をお伝えします。