訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「『温泉とグルメ』どちらも100%満足させる」です。
「温泉とグルメ」どちらも100%満足させる
2020年1月、とあるグルメ媒体のインタビューを受けました。
テーマは「温泉とグルメ」。温泉地ならではの食や、印象的だった旅館の食事について話しました。
ただ、最初にこのご依頼をいただいたときの感想は、「温泉とグルメ、どちらも満足した旅行ってほとんどないかも……」でした。
温泉雑誌でよく“名湯”といわれる温泉は、ざっくりだいたい、山奥や辺鄙な土地にあります。
「いい温泉というだけでお客さんがやってくる」からなのか、食事が抜群においしいところって、あまりなかったような。
そもそも人手不足だったり、場所柄、新鮮な食材やおいしい料理がつくれるシェフを雇用できなかったり、なんてこともあるでしょう。
私としては「こんな山奥でいい温泉を守ってくれているだけで大満足です」と目を瞑(つぶ)れるものの、食事はそんなに……な場合は、人にすすめにくくなるデメリットも。
温泉だけでは、コアなファン以外は行きにくいのが現状だと思います。