(写真提供:Photo AC)
NHK大河ドラマシリーズや映画などで「日本史ブーム」がまだまだ続いています。しかし、歴史研究家の河合敦先生いわく「じつは教科書が改訂されるごとに、多くの歴史用語や人物が消滅したり、評価が逆転したりしている」そうで――。そこで今回は、河合先生が日本史の新説をまとめた著書『逆転した日本史~聖徳太子、坂本竜馬、鎖国が教科書から消える~』から「源頼朝の肖像画」についてご紹介します。

源頼朝の肖像は、尊氏の弟・足利直義だった?

初めて私がテレビに出演したのは、2005年5月のこと。しかも、いきなり土曜日夜8時のゴールデン番組だった。

人気番組として続いていた日本テレビの『世界一受けたい授業』である。

その5カ月前、番組関係者から「歴史の授業を考えているので、面白い逸話を教えてください」と連絡があり、こころよく応じて偉人たちの話を披露した。

ところが、それからしばらくして私に出演してほしいと言うではないか!

すでに著書は出版していたが、当時は都立高校の一教員。バラエティー番組に出ることを教育委員会は認めないだろうし、そもそも堺正章さんやくりぃむしちゅーなど、芸能人を前に授業なんてできるわけがない、そう思って即座に断った。

ところがスタッフがあきらめてくれず、しばらくごねたものの、最終的に出演を決意したのである。