リリー・オンコロジー・オン・キャンバス 絵手紙部門優秀賞『『小さなことに喜びを』
絵手紙部門優秀賞『小さなことに喜びを』神谷 雅春(かみや まさはる)さん
がんと告知された時の不安、がんと共に⽣きる決意、そしてがんの経験を通して変化した⽣き⽅など、⾔葉だけでは伝えきれない想いを絵画・写真・絵⼿紙で表現する「場」があります。がんサバイバーの方の思いが詰まった作品を紹介します。

入院中、唯一楽しみの食事は重湯と塩

私は甲状腺乳頭がんと直腸がんになり手術をした時のことを綴ります。

これまで還暦になるまで中学時代・高校時代そして会社員生活においても皆勤賞と真面目なほどに大きな病気とは縁がありませんでした。

60歳を前に症状は少なかったのですが首のしこりを感じ、各種検査を受診しました。

数日後に細胞の生検検査の結果を医師から告げられました。

悪性腫瘍ありとの診断に耳を疑いました。

甲状腺のがん摘出手術後、入院中は点滴での栄養補給ばかり。

唯一の楽しみの食事は重湯です。

食事の時間になると周りの入院患者は美味しそうな食事が運ばれます。

重湯の患者のお皿には重湯と塩そして名札プレートの3点のみです。

それでも点滴+重湯に感謝の気持でいただきます。

でも一瞬で食事も終わってしまうんですね・・・