いつの間にか私の心は射抜かれ、それからはテレビにかじりつく毎日に…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の60代の方からのお便り。ある日、何気なく観始めた韓国ドラマで「沼落ち」してしまったそうで――。

70歳間近での推し活

「私、この韓国俳優に沼落ちした」

唐突な私のひとことに、「沼落ちの意味わかってんの?」と娘が一笑。

近年、「推し活」とか「沼落ち」とか耳にすることはあったが、私には無縁の話と思っていた。それなのに……。ある日一瞬で、どっぷりと「沼」にはまったのだ。

それはさほどの興味もなく観始めた韓国ドラマだった。

北朝鮮の工作員と女子大生の悲恋の物語。名前すら知らなかった俳優にいつの間にか私の心は射抜かれ、それからはテレビにかじりつく毎日に。

画面を注視し、アップになった「推し」の顔をスマホで撮っては保存を繰り返した。