失敗してもくじけない天才誕生の背景に愛着がある

《Doctor’s VOICE:エジソンは母親に全肯定されて育った》

愛着から無尽蔵のエネルギーをもらって生きた人物の典型といえば、発明王エジソンです。

彼は小学校で先生を質問攻めにするなどして退学勧告を受けますが、母親は「あなたには学校は合わないのね」と息子の味方に立ち、家で教師役をします。エジソンの疑問を一緒に考えて実験し、図書館で調べるなど徹底的に支えました。

エジソンは10代で聴力が低下しましたが、母親は「あなたには目も鼻もあって健康よ」と励ましたといいます。

そのおかげか、彼は「難聴だったから蓄音機を発明できた」とポジティブに捉えるようになりました。

彼は終生母親の姿を忘れることはなく、苦しいときは心のなかで母と言葉を交わして勇気づけられたと記しています。

 

《失敗を失敗とは思わない心理》

エジソンは白熱灯を発明したとき1万回も実験したといいます。彼はそれを失敗とは言わず「1万通りのうまくいかない方法を見つけた」と表現しました。

成功するまで諦めないという無尽蔵のエネルギーは、母親との愛着形成から生まれたものです。

愛着がしっかりしている人は失敗してもへこたれず、進むことができるのです。愛着形成により彼の心のなかにしっかり母親がとり込まれたのでしょう。

やがて内在化した母親は彼自身となり、彼の人生を支え続けたのです。このようになにかを成し遂げる人の背景には、養育者などとの強力な愛着形成が存在することが多いのです。

 

※本稿は、『大人の愛着障害:「安心感」と「自己肯定感」を育む方法』(大和出版)の一部を再編集したものです。


大人の愛着障害:「安心感」と「自己肯定感」を育む方法』(著:村上伸治/大和出版)

【大人になっても愛着の形成はできる】

自分のことが嫌い、基本的な安心感に乏しい…。

それは子どもの時に育まれる愛着がうまく形成されなかったから。
普通の人は、そこそこの自己肯定感と他者信頼感を持っているものの、強いストレス状況や逆境では潰れてしまいます。
一方、強固な愛着形成ができていれば潰れることはありません。
十分ではなかった愛着を自ら築き、何があってもグラつかない自分になる法。