障害年金の不支給が増加

貧困や障害をテーマに取材・執筆をし、障害があっても、いろんな働き方ができるようにできるように支援している人達から話を聞いて、思うことがある。

障害者や低所得者などは、社会に養ってもらっているお荷物ではない。社会には、誰もが平等に働き、健康で文化的な最低限度の生活を送れるだけの所得を築ける環境を作る責任がある。しかし、現状その責任が果たせていない。

疾患や障害を持つと、働く場は極端に限られ、低収入に陥らざるをえない。さらに、そういう人にとって頼みの綱である障害年金の不支給が増加しているという。

「障害者に支給される国の障害年金を申請して2024年度に不支給と判定された人が、23年度の2倍以上に急増し約3万人に上ることが28日、共同通信が入手した日本年金機構の内部資料で分かった。」

共同通信「【独自】障害年金、不支給が倍増3万人に 24年度、幹部交代で厳格化か」

虐待の後遺症でフルタイムで働けない人がいるが、根本的な治療であるトラウマ治療は費用が高く、低所得であるがゆえに受けられず、生活に支障が出て低収入を抜け出せないので治療が受けられない、という負のループから抜け出せないことがある。

たくさん稼げてたくさん納税している人は確かにすごい。でも、それは本当に自分の努力だけで掴み取ったものなのだろうか? 

『死ねない理由』
『死ねない理由』(著:ヒオカ/中央公論新社)