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貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。第88回は「全ての人が生きやすい社会とは」です。

生活保護受給者へのバッシング

ある時、SNSを見ていると、こんな投稿が目に入った。

「障害者は社会に養ってもらってる分際」
「せめて納税者の邪魔はしないで欲しい」

日々、SNSではこんな風に、障害者や低所得者、生活保護受給者へのバッシングがひっきりなしに行われている。

弱者は社会に養ってもらっている。
社会に貢献するどころか、迷惑をかけている。
社会のお荷物。

こういう考えは、本当にこの社会に根付いている。

そして、物価高、社会保険料の上昇、年金制度の不透明さなどで混迷を極める今、弱者への憎悪は燃え上がる一方だ。社会の余裕がなくなればなるほど、資源の取り合いという感覚に陥りやすい。

実際、本当に今はみんな苦しい。
賃金が上がるのは一部の人。実際私がいる出版業界では、どれだけ物価が上がっても原稿料の単価は何十年もあがっていないと聞く。それなのに、健康保険料や年金は上昇し続け、手取りは先細りする一方だ。

低所得者へ憎悪が向かうのは、政府の失策によるところも大きいと思う。