(写真提供:Photo AC)
「ChatGPT」や「Gemini」など、AIの存在が身近になってきているなか「AIって、よく分からなくて不安…」「若い人が使うものでしょ?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、1万5000人以上のシニア世代にパソコンやスマートフォンの使い方を教えてきたスマホ活用アドバイザー・増田由紀さんは「シニア世代にはシニア世代なりの使い方があり、自分らしく生活するのにとっても役立つ」と話します。そこで今回は、増田さんの著書『見てすぐ使える!70歳からのスマホでAI』から、チャットAIの便利な使い方を一部ご紹介します。

人間関係に悩んでいるけど……

悩みごと相談は、ひじょうに個人的なことなので、私の教室でも「ご自分一人のときにやってみてくださいね」とお話ししていますが、これもAIを使って便利なことの一つです。生徒さんたちは、プロンプトのコツを知って、人間関係の相談もチャットAIにしているようです。とくに夫婦関係が多いかもしれませんね。

電通の調査によれば、週に1回以上チャットAIを使う人の3割以上が、AIに「相談にのってほしい」「心の支えになってほしい」と答えています。

ある生徒さんは、趣味のサークルの人と、どうも反りが合わないみたいで、いつも相手が自分に突っかかってくる気がして悩んでいるのだそう。

「私、なんかやったのかな?」と考えてみても、身に覚えはないのだとか。

そこで、チャットAIに相談してみることにしました。

あなたは私の悩みを聞いてアドバイスをしてくれるカウンセラーです。同じサークルの人とのつきあい方に悩んでいます。いつも自分が攻撃されているように感じてしまいます。どのように対処したらいいんでしょうか?

そうすると、チャットAIは「聞かせてくださってありがとうございます。とてもつらいですよね」と前置きをしてから、3パターンの対処法を教えてくれました。

1、距離をとって、あまりつきあわない。

2、相手の気持ちになって、本当に攻撃しているのか、自分が過敏に受け取っているだけなのか、冷静に考えてみる。

3、「相手に、そういう態度や言い方は、ちょっと傷つく」と伝えてみる。

こんな感じの対処法でした。

このアドバイスを受けた生徒さんは、「自分のことばかり気にして、相手の立場に立って考えてはいなかったかも。私も何かやったつもりはないから、気にしすぎないで、やり過ごすのがいいのかもしれない」とおっしゃっていました。

それらの対処法は、それほど珍しいことを言っているわけではないかもしれません。

それでも、一度気持ちを文章にしてみて、チャットAIに投げてみると、異なる視点からのアドバイスがもらえたり、気持ちの整理ができたりして、自分ひとりでは気づけなかった考え方や対応策に出会えることがあります。