熱海五郎一座と、SETの東京の喜劇に、そこからエンジンがかかるわけですね。
――ええ。熱海五郎一座というのは元は伊東四朗一座が始まりで、今年で22年になりました。「熱海五郎」という名前は、伊東四朗に対して、伊東の手前で熱海、四朗の次で五郎、というわけですが、退院した途端に新橋演舞場に進出して、今年で11回目になります。
僕も74歳ですから、この6月の熱海五郎一座の舞台でグラーッとなって。熱中症ですね。咄嗟のアドリブで、「渡辺(正行)リーダーの小噺がつまんないので気持ち悪くなった、歩けない、運んでくれ」って言って舞台袖に引っこんだので気づかれませんでしたけど、僕もそういう年齢になったんだなぁ……と思いましたね。
SETのほうは今年で創立46年。今回の公演は初めて劇団員の小暮邦明が脚本を担当した『地球クライシスSOS~奇跡を起こせ! ロウジンジャーズ~』。
物語は地方の村の老人と若者の対立から始まるんですけど、ある日地球外生命体からアメリカに連絡があって、その交渉役を日本人にやってほしい、と言ってくる。なぜ日本人を選んだのかという謎を追いながら、感動的なラストに持っていけたら、と思っています。僕は官房長官の役で、バカな大臣たちをバンバン突っ込んで、仕切る役です。
SETもあと4年で50周年ですね。創立からの旗印である「ミュージカル・アクション・コメディー」を貫き通す、ってやっぱりすごいことだと思う。
――はい、50周年は、ずっと観に来てくださってるファンの皆さんのためにも、何かすごいことをやれたらいいなと思ってます。

