(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「簡易生命表(令和6年)」によると、2024年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.13歳だったそうです。そんななか、長年高齢者医療に携わる精神科医・和田秀樹先生は「高齢者を専門に診る精神科医をしていると、死ぬ間際や死が近づいたと自覚したとき、しみじみ後悔の声を聞かせてくださる患者さんが多い」と語ります。今回は、和田先生の著書『医師しか知らない 死の直前の後悔』より、後悔しない人生を送るための方法を一部ご紹介します。

いつまでも人への恨みが消えない

恨みをずっと抱え続ける人々

誰かに対する怒りや恨みを長い間、手放せないという人がいます。

とくに夫や妻に浮気をされた場合などに、その相手に執着や怒りを持ち続ける人も珍しくありません。別れた配偶者や家族に対する恨みや怒りが強くなり、その感情がどんどんエスカレートしていって、やがて職場や親族への告げ口、SNSでの暴露、無言電話などの嫌がらせへと発展してしまうケースもあります。

なかには、裁判によって元配偶者から慰謝料を得たのに、それでも怒りがおさまらず、元配偶者や関わった弁護士に訴訟を起こし続ける人もいます。信頼していた顧問弁護士に「裏切られた」と感じて訴える例もあるのです。

本来は、離婚や別れをきっかけに気持ちを切り替え、新しい相手を探せるのがいちばんです。過去の感情にとらわれず、新たな出会いや生活に目を向けていくことが、その後の人生を前向きに生きる力になるのです。

ただ、どうしても元の夫や妻のことを忘れられないという人は意外と多いものです。