人は強い時より弱い時のほうが魅力的

残間 さきほど中園さんは自分は楽観的だとおっしゃったけれど、19歳の時の記憶さえも消えてしまったという頃は、まだ運勢について理解していなかったのですね?

中園 私は14歳で占いに出会ったのですが、母が他界した頃から真剣に学ぶようになりました。なんで私だけこんな目に遭うんだろうというのがあったので、探究せずにはいられなかったのだと思います。つまり私にとって占いは心の拠り所だったんですよね。実際、占い通りに私の低迷期に当たる年に母が亡くなったりしていたので、それは救いになりました。ここを踏ん張れば上がっていくんだと思うことができたので。

残間 後に、占い師として政治家なども鑑定していたんですよね。

中園 みなさん、占い師の前では弱みとか綻びを見せてくださるんですよ。男性の政治家さんはアイツがいつか自分を出し抜くんじゃないかという不安を抱えている方が多かったんですけど、娘が口をきいてくれないんだけどとか、妻の金遣いが荒くて困っているとかいった家族の悩みを打ち明ける方もいました。

私は当時20代の半ばでしたけど、自分が国民を幸せにすると言っているような人が、家族のことで悩んでいるのかと驚いたり、情けないなと感じたり。本当に人間ってどんなに光り輝いている人でも必ず闇があるんです。そうした経験が脚本家になるための肥やしになりましたし、人間ってそういうものだと達観するようになって、颯爽としている人より、占い師の前で肩を落としている人の方が魅力的だなという人間観というか男性観を備えました。

大石 絶対的に男は弱っているほうが可愛いわよね。(笑)

→ VOL.2につづく

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