縁もゆかりもないけれど
その古民家の長男の部屋からは趣味のレコードや絵に混じり、「半分遺書のような体調日記」も出てきたものの、やました氏の連絡を受けた元の持ち主は、「その処分代も含めて安く売ったんだ」と取り付く島もない。
そのことばでやました氏は気づいたという。
「私は何だか知らないけど、これを引き受けたんだ。縁もゆかりもないけれど、モノで窒息したこの家を再生することが私の役目なんだって」(前掲書)
こうして片づけを続行し、お祓いもすませ、基礎部分からやり直し、梁に漆を塗り直したり、和室だったところを土間にして皆が集まれる空間にしたりして、住みやすい家に再生。