もし私が母の意向を無視して勝手に救急要請したら、母には「気持ちを尊重されなかった」というわだかまりが残るでしょうし、その後も文句を言われて、コミュニケーションがうまくいかなくなったかもしれません。
ですが専門機関を介することで、母も合意したうえで救急車を呼ぶことができた。介護する側とされる側で意見が対立する時は、こうした「ひと手間」が重要なのだと学びました。
このことをきっかけに、訪問看護ステーションにも登録。高齢になると、「救急車を呼ぶほどではないけれど、調子が悪い」ということはしばしばあるもの。そんな時に、すぐに相談に乗ってもらえる医療機関があれば、安心につながります。
数々の出来事を乗り越え、私と母はどんどん対話が上達していきました。対話をするうえでの基本は、お互いの価値観を否定しないことです。
私には私の信念があるように、母にも母の生き方がある。頭ごなしに否定しあっては、ケアはうまくいきません。