(写真提供:Photo AC)
『ぶらんこ乗り』『トリツカレ男』など、数々の名作を生み出してきた小説家・いしいしんじさん。いしいさんは、ある時突然かかってきた「人生案内の回答者をやりませんか?」という一本の電話をきっかけに、老若男女から届く様々な相談に真摯に答えてきました。今回は『人生不案内』より一部を抜粋し、いしいさんに寄せられたこころの声と、本気のこころで向き合った回答をお届けします。

娘の彼氏 津波で母が不明

50代の女性会社員。悩んでいることがあります。

娘が交際している男性を紹介してくれました。彼は東北の出身とのこと。彼から直接聞いたわけではないのですが、東日本大震災の津波によって、彼のお母さまは10年が経過した今も、行方不明のままだということです。

ご家族の皆さんもつらい思いをされていることと思います。彼の前ではご家族に関わる話題は持ち出さないよう気をつけているのですが、それでかえってぎこちない雰囲気になることも。私たちの暮らす地域は震災の影響が大きくなかったため、彼やご家族のつらさが本当にはわからないのかもしれません。

今後、彼のご家族にお目にかかることもあると思います。彼やご家族にどんな言葉をかけ、どんなふうに接するのがよいのでしょうか。アドバイスをお願いします。

(千葉・M子)2021.08.21