従来、動脈硬化の予防・改善には、食生活の見直し、酒やたばこを控える、運動を習慣化する、といった方法が有効だと言われてきました。
近年はそれに加えて、「体を軟らかくすると、血管も軟らかくなる」ということが判明したのです。たとえ70代、80代からでも、適切なストレッチで血管を若返らせることが可能だと証明され始めました。
ストレッチの方法を説明する前に、まずは血管が硬くなるメカニズムを見てみましょう。
動脈血管は「内膜」「中膜」「外膜」の3層構造になっています。
「内膜」には内皮細胞と呼ばれる細胞がぎっしり敷き詰められていて、血流やホルモンによって刺激されると、一酸化窒素(NO)をはじめとする「血管拡張物質」を分泌するのです。「中膜」は弾性線維と、平滑筋という筋肉からできています。「外膜」の役割は、血管を保護すること。
年齢を重ねると、まず中膜にある弾性線維が脆くなって減っていき、硬い組織へと徐々に変化します。つまり血管自体が硬くなり、柔軟性が失われていくわけです。
同時に内膜の内皮細胞も衰えてきます。NOの分泌が減ると中膜にある平滑筋が緩まず、広がらなくなってくるのです。
また、筋力低下による影響も見逃せません。筋肉量が減れば、ポンプ作用で血液を循環させる力も弱くなります。すると血流の刺激が減り、NOも減少して、血管が硬い状態が続いてしまうのです。
