緩めたときがゴールデンタイム

ストレッチするべき箇所は、下半身。これは、人体の筋肉の約7割が下半身に集まっているからです。また血液は下肢に溜まりやすいので、下半身に刺激を与えることでより大きな効果が期待できます。

その中でも、大きな筋肉や太い血管が走っているところ――たとえば、「第二の心臓」と言われるふくらはぎを刺激することで、効率よく血流を改善できるのです。

運動習慣がない人は片足15秒から始めましょう。少しずつ時間を延ばし、30秒ぐらいずつ継続できるようになれば理想的。合計で1日1分程度であっても、血管を軟らかくする効果が見込めます。

ただしその際に注意したいのが、動作が1つ終わるごとにひと呼吸置いて、体を10~20秒ほど「緩ませる」こと。

一部をぐっとのばすと、軽いうっ血状態になってその部分の血流は一時的に低下します。そしてストレッチをやめて力を抜くと、急激に血流がよくなる。つまり緩めたときが、血管にとってのゴールデンタイムなのです。決してせかせかせずに、ゆったり行うよう意識してみてください。

もう1つ気をつけたいのが、絶対に呼吸を止めないこと。息を止めると血圧が上がるので、血管に負担がかかり、逆に硬くしてしまいかねません。呼吸をし続けることを常に念頭に置いて行いましょう。

無理に強く体をのばすのもNGです。のばし過ぎると筋肉や腱を痛めるリスクがありますし、力むと血圧が上がってやはり逆効果になってしまいます。痛気持ちいいと感じる程度にのばすぐらいでとどめて。筋肉や腱に痛みがある場合はお休みしましょう。

ストレッチをする時間帯はいつでも構いません。朝晩に固定してもいいし、1日のうち気づいたときでもOK。たとえ短時間でも、毎日続けることが大切です。

血管の衰えは、肌と同じと考えてください。年齢による肌の衰えは目に見えるので、みなさん、毎日丁寧にスキンケアをしますよね。しかし血管は見えないし、硬くなっても痛みや違和感を覚えないので、なかなか気づかない。

血管の老化からくる予兆のない大病「サイレントキラー」を防ぐためにも、日頃から血管を肌と同じように意識的にケアしていただきたいと思います。

次の記事では「血管のばし」ストレッチをご紹介しますので、1つからでも、まずは挑戦してみましょう。

後編「実践編」につづく

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