「ありがとう」の出し惜しみをしない

なかには素直に「ありがとう」が言えない人もいるでしょう。実は私も、若いころはそうでした。私の『紫の履歴書』という本にキャバレーでドアボーイをしていたころの詩が収録されており、以下、その一節です。

「ありがとう……ムニャムニャ」

(自己嫌悪)

やがて

「ありがとざあやした」

(こん畜生め)

やがて

「ありがとうござぁいます」

(無気力、無感動) 

この詩で私は、「我儘育ち 芸術家気取り 人に頭が下げられない」と、客観的に自分を見ています。こんな態度では、人生うまくいくはずがありません。その後、私がことあるごとに「ありがとう」と言えるようになったのは、人生修行の賜物だと思います。「ありがとう」と言えるのは、心のお行儀をわきまえている証拠。くれぐれも出し惜しみしないように。

●今月の書「ありがとう」

ありがとう
(書:美輪明宏)
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幸せの大盤振る舞い」(著: 美輪明宏/ 中央公論新社)

====「波瀾万丈の人生を送っている私ですら、こんなふうに強く生きていけるんですよ」美輪明宏=== 

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戦争や貧困のどん底を生き抜き、偏見や病にも屈することなく、ずっと愛と真実を語り続けてきた”麗人”美輪明宏。
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