人生の後半に入ると「これからどう生きたらいいのか…」「終活を始めなければ…」と悩む方も多いのではないでしょうか。しかし「終活よりも先に、人間関係やお金、感情などの<身辺整理>をするべき」と語るのは、医師として多くの患者を診てきた鎌田實先生です。今回は、そんな鎌田先生の著書『身辺整理』から一部を抜粋し、最後に「いい人生だった」と思うために今やっておくべきことをお届けします。
人生は4回、身辺整理が必要になる
僕の人生を振り返ってみましょう。
古代インドの聖人が、人生を4つの時期に区切りました。
これは「四住期」と言われています。
最初の「学生期」は、生まれてきた命が学び、成長する時期です。
僕の場合は30歳まで。
自分を成長させたいと思い、30歳ぐらいまで自己投資をしました。
学校で勉強するだけではなく、たくさんの本を読み、音楽や芝居からも何かをつかみ取ろうとしました。
18歳ぐらいまでは、何をするか迷っていました。映画が大好きで、映画監督になりたいという淡い夢も抱いていました。自分でシナリオなんかも書いていたのです。
育ての母が病弱だったので、母のような人を助けられる医者になることにも、魅力を感じていました。
しかし、医者も映画監督も、自分の置かれた環境からではとても難しいと、目の前の現実も見据えていました。だめなときには寿司屋になろうか……。そんなことも思っていました。
とにかく、自分で身辺整理をしながら人生を考えていたのです。
19歳。国立大学の医学部に受かりました。大学に入るには時間に限りがあったので、無駄を省いていく訓練が、少しずつこの時期になされていたと思います。
医学の勉強もよくしましたが、やはり映画も観続けていました。麻雀もよくやりましたが、卒業間際になって、だんだん麻雀からは離れていきました。
身辺整理をしながら、自分の人生のためには何が必要なのかと考えつつ、30歳までひたむきに医学の勉強をしました。学生時代の遅れを取り戻そうとしたのです。