コロナ禍のなか、友人たちとの《Zoomお茶会》がはじまり、音楽アプリを使ってオンラインでする合奏に誘われて、ピアノのパートを担当することになりました。久方ぶりにピアノに向かう楽しさは想像以上で、仲間との交流がはじまったのにも救われたと思います。
翻訳作業の間、先生方や編集の方々、通常は手に入らない珍しい有毒植物を育てて届けてくださった方々など本当に大勢の方に助けていただきました。家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。
長年かかって、一冊の本を訳し終えた今、こんな夢を持っています。一つは、もう一度ギリシアに行くこと。これまで出合えなかったいくつかの植物を見てみたいのです。
もう一つはテオプラストスの『匂いについて』という小品を訳すこと。『植物誌』に出てきた香料植物・薬用植物をもっと学びたいと思っていたら、ご縁があってアロマの研究会に誘われました。アロマの現在を学びながら、21世紀の目で『匂いについて』を読んでいくのも面白そうです。
今はAIの力ばかりが注目される時代ですが、2300年以上前に、テオプラストスは裸眼での観察に基づいて、植物の特性の数々を発見し時代を先取りした多くの洞察をしました。『植物誌』に向き合っていると、人が目と頭を使ってなしうることの大きさに感嘆せざるをえません。
私も知りたいことはいまだに山ほど。自分の目で見て考えて、それらを追い求めていきたいと思っています。
