舌鋒鋭い語り口でお馴染みの毒蝮三太夫さん。現在、57年続くラジオ番組を持ちながら、大学で介護福祉の教鞭もとっている。下町気質の両親の知恵から、老後を楽しく生きるためのヒントまでを語ってくれた。(構成:篠藤ゆり 撮影:宮崎貢司)
情に厚かったおふくろの教え
親や祖父母のことを知ると、自分ってものがよくわかる。うちのおふくろは芝で生まれて神田で育った江戸っ子だから、よくしゃべるし、典型的ないい加減なババア(笑)。そのおふくろに、よく言われたんだ。
「年寄りをバカにするんじゃない、大事にしなきゃダメだよ。年寄りは先に死んで、閻魔さんに頼んでくれるんだ。『あの子はいい子だから、ヘンな病気にかからないように。悪いヤツにつかまらないように』」って。
明治生まれのおふくろは、小学校も出ているかどうかわからない。だから学はないけど、知恵はあった。そういう年寄りの知恵が、今の若い子に伝わっていない気がする。年寄りも、昔の話をして若い子に嫌われちゃいやだって怯えてるし。
ギニア出身のオスマン・サンコンさんが言ってたけど、彼の故郷では「年寄りが1人死ぬことは、図書館が1軒なくなることと同じ」って言われてるらしい。
それくらいの損失なんだから、若い人には、年寄りの話をよく聞いて、知恵を利用してほしい。同時に、年寄りは若い人と話すと若さをもらって元気になる。つまり、お互い得するんだよ。だから高齢者には、できるだけ若い人とたくさんしゃべったほうがいいよと言いたい。