中国の影響を受け続けた

言語の面でも中国の影響を受け続け、朝鮮語と同様にベトナム語でもまた多くの漢語が取り入れられることになった。やはり固有の文字を持たなかったので、ここでも必然的に漢字が使われるようになった。ちなみにベトナム(Viet Nam)はもともと「越南」と表記した。これもまた漢語である。

朝鮮、ベトナムでも漢字・漢語が取り入れられ、また日本と同様に長らく漢文が正式な文体として君臨した。これら漢字を使った国々を「漢字文化圏」と呼ぶことがある。

『漢字と音読みの謎を解く-呉音・漢音・唐音の奥深い世界』(著:中澤信幸/中央公論新社)

朝鮮、ベトナムでは、漢語は当然漢字で表記されたが、固有の朝鮮語、ベトナム語もまた、漢字で表記されるようになる。つまり日本の万葉仮名と同じことが、朝鮮、ベトナムでも行われたのである。

朝鮮語におけるこのような表記は「吏読(吏道・吏吐とも)」と呼び、新羅時代の金石文(金属や石に刻まれた文字)に初期の姿が見られるという。助詞や用言の活用形を表記したものが多く、この点も日本の万葉仮名と共通する。