資産形成において大切なのは…

金(ゴールド)を保有すること自体が間違いだというわけではない。金(ゴールド)は株式や債券とは異なる値動きをするため、ポートフォリオ全体のリスクを下げる効果がある場合もある。

しかし、それはあくまで「保険」としての役割で、資産全体のごく一部にとどめるのが合理的である。金(ゴールド)を資産形成の柱に据えるのは、主食を抜いてサプリメントだけで生活しようとするようなものだ。

金(ゴールド)は、数千年にわたって人類を魅了してきた。その輝きは、私たちの不安や欲望を映し出す鏡でもある。しかし、資産形成において大切なのは、一時の輝きに惑わされないことである。

「有事の金(ゴールド)」という言葉の裏には、「世界がさらに悪くなることに賭ける」という意味が隠れている。それは、資産を増やす戦略というよりも、不安を金(ゴールド)で買い取る行為に近い。

※本稿は、『思い込みの経済学-AI時代のお金・仕事・社会』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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