日本人は塩分を摂りすぎている?
では、気になる塩分についてはどう考えればよいのでしょうか。実は「日本人は塩分を摂りすぎている」という通説には、科学的根拠が乏しい面があります。むしろ、過度の減塩によって食欲が落ちたり、熱中症になったり、カロリーが不足して健康を損なうリスクのほうが大きいのです。もちろん重症の腎臓疾患などですでに医師から厳密な減塩を指示されている方は例外ですし、「たくさん飲めば飲むほどよい」という乱暴な話ではありません。
しかし、そうした特別な事情がない限り、必要以上に恐れることはありません。個人差やその日の体調、汗をかいた量などに応じて、柔軟に考えてよいのです。
精神科医として強調したいのは、「飲みたいのに我慢する」という行為がもたらす心理的ストレスです。「食べたい」「飲みたい」という自然な欲求を押し殺すことは、小さなことであっても積み重なれば精神的な負担となり、免疫力や気分に影響を及ぼすことがあります。もし「スープを飲むこと」を禁止事項にしてしまうと、ラーメンを食べるたびに罪悪感やストレスが生まれてしまうでしょう。その方が長い目で見れば体に悪影響を与えかねません。
では、どう向き合えばよいのか。答えは、白黒つけないことです。体調やその日の食事量に合わせて、柔軟に考えればいいのです。要は、その日の体調と相談しながら「自分にとってのちょうどいい落としどころ」を見つけることが大切なのです。スープは決して悪者ではありません。よいか悪いかではなく、「どう飲むか」「どのくらい飲むか」を自分で選べばよいのです。
