今こそ、物見遊山を
信鴻の日記を読んでいると、20世紀半ば生まれの私には、江戸(東京)の懐かしく快い面ばかりが目につきます。江戸庶民は、自分が楽しい気分でいられる遊びを知っていた。そんな物見遊山を、現代も再現しようと思えばできないことはないはず。
21世紀の社会は、ITを駆使し、豊かな情報と知識で私たちの暮らしをさらに変化させようとしています。遊びはもちろん、心の不安さえもコントロールしようとしている。さらに、新型コロナウイルス感染症が流行し、新たな生活様式が求められています。
新たな生活様式は、生活の基本を労働から遊びに転換することが解決の糸口となるはず。その手始めとして、自宅から一歩一歩自分の足で出かける物見遊山はいかがでしょうか。物見遊山の復活は、経済活動を優先する社会から、遊びを生きがいとする、ゆとりの社会に変える手始めとなるでしょう。