「自信がついていくと、薬は少しずつ減らせます」

そういえば、わたしは、デビューする前のどの仕事だって、続かなかった。休んだことがないのは、タレントの仕事だけだ。

わたしは、「タレントの仕事を、やろう! やりたい! 迷惑かけるかかけないかわからないけど、今の時点でやめる判断はできない!」と、とりあえず腹を括った。

何年か経ったある日、くすりを飲まない日があった。忘れていたのだ。わたしにとっては、すごいことである。

ずっと前、くすりに依存していくようで心配だと先生に話した時のことを思い出した。

「自信がついていくと、薬は少しずつ減らせますから。薬が減っていくことは賛成ですが、依存が心配だからといって無理矢理止めないこと。自信を取り戻して、状況も変わって、自然と手放せる時がくると良いですね」

きっと、何かの理由でわたしの体はくすりを必要としなくなったのだろう。そういえば親への憎しみはなくなっているし、生きづらさは減っている。そしてわたしは、もう生涯怒らないと決めている。(できるだけ【笑】)

不思議だが、心だけではなく、カラダもラクになってきている。

その後、くすりは先生と相談しながら徐々に減っていき、飲まなくなって1年が経つ。

残ったくすりは今もお守りのように引き出しに入っている。

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