いつのまにやら100歳を超えていた

自宅兼店舗で開業すると、「東京で修業した理容師」と評判になって、おかげさまでお店は大繁盛。一番忙しかった頃には、お客さんの顔に蒸しタオルを乗せている間に、立ったまま昼食をかきこんでお店に戻るほどでしたね。

理容師は立ち仕事ですので足腰に負担がかかりますし、さっきお話ししたように手先が衰えて震えるようなことがあれば、仕事は続けられません。ですから男性でも女性でも、60歳過ぎに引退なさる方が多いのです。

それが私の場合、おかげさまで体のどこも悪くならないで。自分としては当たり前に続けてきたつもりですが、いつの間にやら「100歳を超えた理容師がいる」と話題にしていただくことが増えました。

2年前にリフォームして1席になったが、今も予約客を中心にお店に立つ。赤紫色の壁紙がおしゃれ

テレビなどでも紹介されると、全国からお客様がみえるようになりました。近隣の郡山や白河、茨城だけでなく、東京や神奈川、千葉、埼玉からも。遠くから来られてお断りするのも申し訳ないので、事前にご予約いただいた方に限ってお受けするようにしています。

飛び込みのお客様にお知らせするため、お店の前には「今月は臨時休業」と札を下げています。この書き方だったら、翌月をお休みするときも、わざわざ変えなくていいから便利でしょう。(笑)