「《これまで元気で働いてきた秘訣は何ですか?》と聞かれることも増えたのですが、特別な何かをしているわけではないんですよ。」(撮影:本社写真部)
東京・板橋区のヒルマ薬局では、「榮子先生」と呼ばれ、お客さんからもスタッフからも慕われる97歳の薬剤師・比留間榮子さんが働いている。年々暑くなる夏をどうのりこえてきたのか、元気の理由を聞いてみると──(構成=山田真理 撮影=本社写真部)

夏バテのもとは生活リズムの乱れ

薬剤師になって77年、本当にあっという間でしたね。95歳のときに、孫の康二郎(同じく薬剤師)がギネスブックに申請してくれて、「世界最高齢の現役薬剤師」に認定していただきました。

以来、「これまで元気で働いてきた秘訣は何ですか?」と聞かれることも増えたのですが、特別な何かをしているわけではないんですよ。毎朝3~5時頃に起きて、楽しみにしている『ラジオ深夜便』を聴きながら身支度を整え、7時に朝ごはんを食べる。

今は週に2回、小豆沢(あずさわ)にある支店へ9時に着くようにタクシーで向かいます。それから夜7時まで働き、8時頃に帰宅したら缶ビールを1本。この1杯が何よりのリフレッシュになりますね。(笑)

年齢も年齢ですから食べる量は減っています。だんだん、簡単に食べられるおそばやスパゲティのような麺類ばかり好むようになってきてはいますが、あれが食べたい、これが食べたいということは言わない。食事は三食しっかりいただきます。「今日は何のごちそうかしら?」と、同居するお母さん(康二郎さんの母で、薬剤師の公子さん)の料理を楽しみに食卓に向かうのです。

仕事の日のお昼は、お母さんお手製の、野菜がたっぷり入った栄養バランス満点のお弁当を。家族みんな働いているので、夕ごはんは遅めの9時、10時。寝るのは11時頃ですね。