「17から20歳の4年間、気がついたら、やれコマーシャルだの、テレビだの、映画だのって、仕事が入って、もうびっくりするようなお金が貯まってた。で、そのお金を使っちゃえと思って、パリへ行ったのね。女優やめようと思ったから」

パリへ行ったのね。女優やめようと思ったから

私は人生の秤はプラスマイナスが結果、一緒になるって思ってるのね、大きな意味で。その時々の目先のことで計ったってわからない。

それが世間体なんか関係ないっていうところに通じるの。つまり学歴がなんだとか、籍を入れないからなんだとか、関係ない。

私がデビューする時だって、父は大映に勤めてたけど、松竹からきた話だったから、「どうする? どうしたらいい?」って聞いたら、「あなたが役に立つかどうかわからないけれど、夏休みだし、やってみたら」って。そうして女優になったからね。

その時に映ったわが姿を見て嫌だった。なんてブスなのと思って。歩き方なんて、ひどいものよ、後ろ姿とか。だから女優なんて無理って思ったの。演技の勉強しようとか全然思ってなかったし、家族が全員、映像の裏方の仕事してるから、そっちならしたいなって思ってたけど、自分が出る立場になるなんて考えもしなかった。

17から20歳の4年間、気がついたら、やれコマーシャルだの、テレビだの、映画だのって、仕事が入って、もうびっくりするようなお金が貯まってた。で、そのお金を使っちゃえと思って、パリへ行ったのね。女優やめようと思ったから。

不動産買うなんて、考えもしなかった(笑)。見事に使い果たしたの、半年で。それでよかった、すごく。いい経験を買ったからね。