「なんとかなるわ!」と自分を信じて

そんな私の姿が、他人には後先を考えない行動に見えたのでしょう。「正気の沙汰やないで」「成功するはずないわ」と何度言われたことか。でも私は、「なんとかなるわ!」と自分を信じて突き進みました。

『「松之助」オーナー・平野顕子のやってみはったら! 60歳からのサードライフ』(著:平野顕子/主婦と生活社)

京都の店が軌道に乗り、その後、夢の東京進出に動き出しました。目黒のアパートで住まいと兼用の教室をスタート。駅前での地味なビラ配りも、成し遂げたいと思う信念のおかげか、ちっとも辛くありません。

その後、知り合いと一緒に赤坂で5坪のお店を共同経営したのも束の間、 意見の食い違いで袂を分かつ日がやってきました。代官山の店を開いたのは、赤坂の店のあと。申し分のない魅力的な物件だったけれど、家賃も相応で、「身の丈にあってないかなぁ」。でもやっぱり、「やってみはったら!」 です。一昼夜考え抜いて、「なんとかなるわ!」と借りることに。

浅からぬ縁があったのでしょう、京都も東京も今でもその場所にお店があります。