腰部脊柱管狭窄症に悩まされる人とは

神経が圧迫された状態が長期間にわたってくり返されると、神経への栄養をつかさどる脊髄液の流れが滞って栄養が十分に供給されなくなります。それに加えて神経に炎症が生じます。

また、神経には血管が通っているので、神経の圧迫された状態が続くと血流も滞り、神経に十分な酸素や栄養が届かなくなります。脊髄液と血流による栄養が十分に届かない状態が続くと、神経の働きが著しく低下し、下肢の痛みやしびれ、マヒや間欠跛行などが起こります。

脊柱管狭窄(症)では、圧迫されている神経によって症状が異なります。

馬尾という末梢神経の束が圧迫されると排尿・排便障害が起こることもあります。この場合には早期に手術が検討されます。

腰部脊柱管狭窄症の頻度を診断用質問表により調査してみると、どの調査でも腰部脊柱管狭窄症は年齢とともに高頻度になります。

「女性と男性の脊柱管狭窄症の年齢と増え方」(大谷晃司、他:臨整外43 図3より転載)<『脊柱管狭窄症の本』より>

性別では女性に多くみられます。そして、腰部脊柱管狭窄症は、歩行に支障が出るだけでなく、その人の心を含めた健康や生活に深刻な影響を及ぼしてしまいます。

最近の研究では、寿命や認知機能を含め健康と深く関わっていることがわかってきています。