脊柱管狭窄症が増えたのはなぜ?

リードにも記しましたが、日本整形外科学会の調査によると、脊柱管狭窄症の国内の患者数は約350万人と推定されています。 60歳代では20人に1人、70歳代では10人に1人が脊柱管狭窄症を発症し、50歳以上の腰痛や下肢の症状(痛み・しびれなど)の最大原因と考えられています。

このように、脊柱管狭窄症の患者数が年々増加している最大の理由は、日本人の高齢化が急速に進んでいるためです。脊柱管は加齢とともに狭くなるので、年をとるほど症状が現れやすくなるのです。

そのほか、MRI(磁気共鳴断層撮影)検査が普及して脊柱管の狭窄が発見しやすくなったことも一因です。さらには、診療ガイドラインや診断サポートツール(以下図が一例)が策定されたため専門領域でない医師も診断がしやすくなったことが挙げられます。

脊柱管狭窄症診断サポートツール(図:『脊柱管狭窄症の本』より)

なお受診については脊柱や神経の疾患を扱っている診療科が適当と思われます。もちろん、ほかの診療科でも脊柱に関心を持っている先生がいらっしゃれば診察はできますが、基本的には整形外科での診療をお勧めします。

※本稿は、『図解だからわかる 脊柱管狭窄症の本』(興陽館)の一部を再編集したものです。

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『脊柱管狭窄症の本』(著:菊地臣一/興陽館)

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