「8時間睡眠がベスト」ではない

これは厚労省がいい加減なわけではなく、研究調査を重ねて出た答えが「人それぞれ」だということなのです。

基本的に人間は個体差がありますから、必要な食事量や体重などあらゆることが人それぞれです。しかしそうは言っても基準がないと困るので、一応平均値や安全範囲を決めているのです。

睡眠時間も最初は基準を決めようという話もあったそうです。ところが調べてみると、睡眠に全く問題のない健康な人の睡眠時間は、なんと3時間から10 時間以上と7時間以上も幅があったのです。

厚生労働省が推奨する睡眠時間は「人それぞれ」(イラスト:『働くあなたの快眠地図』より))

このような事情から、厚労省は推奨睡眠時間や範囲を決めないほうが良いと判断しました。とはいえ、世の中では「8時間睡眠がベスト」と思っている方が多いので、「8時間眠れていないので不調」ということになるわけです。