海外では睡眠を「トレーニングの時間」「パワーチャージの時間」と捉えるのが普通になってきているそう(イラスト提供:イラストAC)
「猛暑」「酷暑」と表現されるのが当たり前になりつつある日本の夏。2022年の今年も寝苦しい夜が続いています。一方、計120社、累計6万5000人の睡眠改善をサポートしてきたスリープコーチ・角谷リョウさんによると、一流のビジネスパーソンほど、日々ぐっすり深く寝て、その日のうちに心身の疲れをとり、日中のパフォーマンスを最大限に引き出しているとのこと。特に海外では睡眠を「トレーニングの時間」「パワーチャージの時間」と捉えるのが普通になってきているそうで――。

質より量の時代が終わり

よく「時間は有限だからお金より大切」といいます。さらには、「1日はみんな同じ24時間だから、寝る時間を削って活動時間を増やしたほうが得」という発想に至ります。

特別な才能やコネがある場合を除いて、ビジネスパーソンとして周りから認めてもらうためには、どうしても仕事や勉強に時間を多く割かないといけなくなります。人生は短いですから、仕事以外も楽しんで人生を充実させようと思うと、何も生み出さない睡眠を削ろうと考えがちです。

実は私も役所で働いていた時は全くその発想で生きていて、5時間以上の睡眠を取った記憶がないくらいでした。

今から20年以上前になりますが、その時代は「何をすれば成功するのか?」「何を学べば上に行けるのか?」がある程度分かっていた時代です。良くも悪くも「質より量」の時代だったので、どれだけ知識があるとか、どれだけハードな仕事に耐えられたかが重視されていました。