塩ふたつまみで素材の旨味、甘みを引き出した優しい味

フライパンひとつ、おまけに生ゴミはゼロで料理が完成しました。

カブは、火の通りが早く、生でも食べられるので、忙しい日にとても重宝する食材です。わが家では、皮付きのまま輪切りにしてオリーブオイルでこんがりと焼き、塩と黒コショウをふって食べるのが定番。焼いたカブはジューシーで香りよく、皮の食感もいいアクセントになります。それを酒蒸しにするのだから……美味しいに決まってる! というわけです。

体を温める働きがある酒を多めに使うのもポイント。ニンニク、鶏肉も体を温めてくれるので、食べ終わると体がポカポカ。癒やしのパワーがじんわりと体中に広がるような気がします。

味付けに使っているのは塩ふたつまみだけですが、素材の旨味、甘みが引き出されてとても美味! シンプルで優しい味なので、途中でこの秋に仕込んだシソの実の塩漬けを散らしてみると、時々シソの実が弾けて、スッキリとした香りふわり。ワクワクしてきて、思わず日本酒をグビリ。

どんよりと疲れていたのが嘘のようです。疲れているからといって外食したり、出前を取ったりしたところ、ラクをしたつもりが疲れがさらに溜まってしまった……そんな経験が何度もあります。私の心と体には、忙しくて疲れているときこそ、シンプルで簡単な手料理がちょうどいいみたいです。

お気に入りのクッションの上でまったり中のエメルソン。寒くなると、ほとんど動かず、ごはんもあまり食べず、省エネモードに。力まず、抗わず、そんなふうに生きてみたい…。
「焼きカブと鶏肉のガーリック酒蒸し」
ミニマム度:★★☆
調理時間:15分
調理道具:フライパン
洗い物:フライパン、食器
生ゴミ:ナシ

前回『もち米なしでおこわ気分が味わえる「鮭と長芋のバター柚子胡椒ごはん」いい香りがふわり。晩酌のお供にも』はこちら


ごはんに化ける ズルイおつまみ
(著:藤岡操/EDITORS) 2022年10月26日発売!

コロナ禍のいま、自宅で楽しむおつまみの本が人気です。
私は飲むけれどパートナーは飲まないというケースや、お酒を嗜む夫婦のほかに子どもがいるケースも少なくはありません。
そこで、ワインのおつまみだけど、ちょっとしたアレンジで晩御飯のおかずにもなる! 1品つくれば家族みんなで楽しめるそんなレシピを集めました。
難しいことも面倒なこともなし。身近な食材と調味料の組み合わせだけで、楽しみはうんと広がります。どこで売っているのか分からないおしゃれ過ぎる食材も使用していません。食材も、料理の工程も少ないものばかりです。
揚げ物を食べたいけれど衣の準備が面倒……ならば、春巻きの皮を使ってパリッと焼こう!
冷蔵庫に肉も魚もない……ならば、ゆで卵と粉チーズでご馳走にしちゃおう!
和風の煮物とワインを合わせたい……ならばオリーブオイルと黒コショウをかけるだけで相性抜群に!
そんな気楽な発想で、ワインと一緒の晩ごはんを自由にのびのび楽しみませんか?
版型はコロンとした正方形に近い可愛いかたち。簡単な工程なので、本と睨めっこする必要はありません。いつまでも手元に置いておきたい、パラパラ眺めるだけで楽しくなれるそんなレシピ本です。