何かを感じてくれたことが伝わってくる

そして、トークが終わってからのサイン会もまた印象的だった。

実は私は、サインだけは絶対したくなかった。

ちょっとひねくれやろうなのと、自己卑下するタイプ。

「私のサインが欲しい人なんかいるわけない。ってか、サイン書きますよ?とか口が裂けても言えない。だってまだ新人だよ?ねえだれが私のサインなんかほしいの?私レベルでサインやりまーすとか言ったらめっちゃ痛いじゃん!無理無理無理!」

と一人でぐーるぐる。湯船に浸かりながらずっと独り言。

でも、自然の流れでやっぱりサインはすることになり、しかもたくさんの方が並んでくれた。

ありがたいことに、店舗にあった著書の在庫は完売し、買えない人までいたんだとか。(ありがてぇ申し訳ねえ)

「電子書籍でも買ったけど、紙の方も買いました」

と言ってくれる人もいたし、

「次の本が今から楽しみです!」と言ってくれる人もいたり。

サインをしている間、みなさん本の感想を切々と、時に滔々と語ってくれる。それぞれの人生と私のストーリーが交錯し、感じるものが溢れて、まとまらないのだという。ただ、深く、何かを感じてくれたことが伝わってくる。そしてそれを伝えようとしてくださることがまた嬉しい。