市川さんは75歳の時に大腸がんと診断され、「余命3か月」の宣告から7年7か月も闘病しました(撮影:笹井恵里子)

夫をなんとか診療所へ

近所のかかりつけの診療所に相談しました。その先生は、主人と飲み仲間で気心が知れていた。主人は会社を定年退職してから健康診断を受けていないこと、普段から「俺は健康だ」と言い張っているから、ここ(診療所)に連れてくるのは難しいと思うと話しました。

すると先生は「何とか言いくるめて、騙してでもいいから、ここに連れてきなさい」って。

だから家に帰ってから、私は主人にこう頼んだんです。「健康診断を受けたいんだけど、心細いから一緒についてきてくれないかしら」

しぶしぶ同行してくれることになりました。

診療所に着くと、先生と私で打ち合わせができていたので、すぐに看護師さんが主人を囲みました。

「あぁ、旦那さんも来たのか。ちょうどいい。奥さんは後にして、旦那さんを先に検査しましょう」

先生の言葉に主人は驚いた顔をして、「俺はなんでもないから大丈夫ですよ」と抵抗していました。でも先生はおおらかに「まあまあ」となだめつつ、検査の準備を進めていったんです。