劇場に活気がもどりつつある
コロナ禍のもと、歌舞伎公演も「不要不急」とされ、一時中止を余儀なくされた。その間、仁左衛門さんは週5日ウオーキングをし、『勧進帳』の弁慶、富樫、義経、四天王の全役を一人で演じて声練習をするなど研鑽した。その後、歌舞伎は再開。今回の鳳凰祭四月大歌舞伎は、コロナ禍に定着した3部制から昼夜2部制に戻る。劇場に活気がもどりつつある。
このような時こそ、演じることは大事だと思うんです。世の中の重たい空気の中でそれを振り切って、見て下さる方がエネルギーを取り戻し、元気になっていただけるようなお芝居を届けしたいと思っています。
一度足が遠ざかったお客様が元のように戻ってくださるには長い時間がかかると思うんです。いったん途切れるとなかなか難しい。果たしてどこまで戻ってきてくださるか。いかに元に戻して公演を続けていくことができるか。それらは私たちの努力にかかっています。正念場でもあります。