噛むたびにツルッ、プリッ!
だしや旨味調味料は一切使わないので、この料理では塩も大事。ミネラルや旨味を含む天然塩を使うのが美味しさの決め手です。
わかめと塩の自然の旨味、ニンニク、ごま油の香り、それをまとった豆腐。なんと美しく、清々しいひと皿なのでしょう。
噛むたびにツルッ、プリッ! 食感がたまりません。自然と噛む回数が増えるので、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎ予防にもぴったり。お酒を飲んだ日や小腹が空いた日の夜食にもいいな、なんて思っていたら、焼き肉屋さんのクッパを思い出しました。
というわけで、慌ててだし汁を温めて、簡単アレンジクッパに。だし汁を加えるだけですが、しみじみとした味わいが深まった! あまりにも美味しくて、軽々おかわり。もっとわかめを残しておけばよかった……と思ってしまったほど。
飽きずに食べられるのは、シンプルな味だから。そして、シンプルに素材の味を引き出すのは、酒蒸しの得意技です。酒蒸しのおかげで、わかめの美味しさを再確認しました。
『ごはんに化ける ズルイおつまみ』
(著:藤岡操/EDITORS) 2022年10月26日発売!
コロナ禍のいま、自宅で楽しむおつまみの本が人気です。
私は飲むけれどパートナーは飲まないというケースや、お酒を嗜む夫婦のほかに子どもがいるケースも少なくはありません。
そこで、ワインのおつまみだけど、ちょっとしたアレンジで晩御飯のおかずにもなる! 1品つくれば家族みんなで楽しめるそんなレシピを集めました。
難しいことも面倒なこともなし。身近な食材と調味料の組み合わせだけで、楽しみはうんと広がります。どこで売っているのか分からないおしゃれ過ぎる食材も使用していません。食材も、料理の工程も少ないものばかりです。
揚げ物を食べたいけれど衣の準備が面倒……ならば、春巻きの皮を使ってパリッと焼こう!
冷蔵庫に肉も魚もない……ならば、ゆで卵と粉チーズでご馳走にしちゃおう!
和風の煮物とワインを合わせたい……ならばオリーブオイルと黒コショウをかけるだけで相性抜群に!
そんな気楽な発想で、ワインと一緒の晩ごはんを自由にのびのび楽しみませんか?
版型はコロンとした正方形に近い可愛いかたち。簡単な工程なので、本と睨めっこする必要はありません。いつまでも手元に置いておきたい、パラパラ眺めるだけで楽しくなれるそんなレシピ本です。