それから20年後には父が亡くなり、その家も10年ほど前に解体されました。

先日、自然食品店を営む友人がリニューアルオープンした店を訪れた際、『銀河』と再会しました。

『想い出の昭和型板ガラス ~消えゆくレトロガラスをめぐる24の物語~』(著:吉田智子・吉田晋吾・石坂晴海/小学館)

中古の事務所をリフォームしたのですが、窓ガラスの『銀河』は素敵だったのでそのまま残したとのこと。

懐かしさとともに想い出がよみがえってきました。

一緒にいた母に興奮気味に話してみましたが、「そんなことあったかなあ」と残念な返事。

90歳になろうとしている母の介護生活も13年目。あの頼もしかった母の姿も遠い想い出です。

もうひとつ思い出したのは、新築中の仮住まいとして敷地内の倉庫に設けられた6畳間のガラス窓です。

午後の西日を受けてきらきらと光るそのガラスを、「ダイヤモンドみたいにきれい」と陽が傾くまで見入っていたことがありました。

今になって知るそのガラスの名前は、まさしく『ダイヤ』でした。