「これから何をしようか」と悩めるほどの贅沢はない

突然のようにできた時間に戸惑ったり、「何かやらないとまずい……」という思いに駆られて焦ったり、気分がふさぐかもしれません。

しかし、焦ることはありません。

『老いも孤独もなんのその 「ひとり老後」の知恵袋』(著:保坂隆/明日香出版社)

あなたは今、富士山の裾野のような、だだっ広い場所にいるのです。

上に行こうが下に行こうが右に走ろうが左に歩こうが、すべてあなた次第なのです。

まずは大きく息を吸って深呼吸でもしてあたりを見渡してください。

そして「時間を贅沢に使ってやろう」と覚悟を決めてしまうことです。

若い頃、途中で断念してしまった長編小説をじっくり読むのもいいし、観たかった映画のDVD三昧(ざんまい)の一日があってもいいし、気分転換にぶらりと散歩に出るのも大いにけっこうです。

実際にやってみるとわかるでしょうが、そうした日々は思った以上に豊かで充実しています。

目的を持って何かやるということばかりが充実感をもたらすわけではないのです。

気分的にあくせくせず、「今日は何をするかな」とゆったり構えていると、ふっと「これをやってみようか」というものが必ず見つかるでしょう。

そして、「それが終わったらこれ」「その次はこれ」と、目の前に次から次へと道があらわれることもあります。

今、先が見えないからといって気に病む必要などないのです。

とにかく今は、この先に思いを馳せて、「これから何をしようか」と悩むのはとても贅沢で豊かな時間なのだと実感してください。