今場所の三賞はこれまでにない多さだった
今場所の三賞は、7名(ダブル受賞もいる)というこれまでにない多さだった。
殊勲賞は、錦木(初)。敢闘賞は、豊昇龍(初)、小結・琴ノ若(4回)、北勝富士(初)、前頭13枚目・豪ノ山(初)、前頭14枚目・湘南乃海(初)、伯桜鵬(初)。技能賞は伯桜鵬(初)。
新入幕の豪ノ山と湘南乃海は10勝をあげて、伯桜鵬とともに来場所の活躍が楽しみだ。
今場所のNHKテレビの解説で印象に残ったのは、千秋楽での玉ノ井親方(元大関・栃東)の「いかに冷静に自分の相撲が取れるか」という言葉。豊昇龍は大関を目指す関脇の中で一番冷静だったのかもしれない。そして、10日目の解説で境川親方(元小結・両国)が新大関・霧島に言った言葉。「力がなくて大関になったわけではないので、勘を取り戻す」だ。新大関・霧島は右肋骨骨挫傷で休場してから出場し6勝7敗(不戦敗を含む)2休で負け越した。大関・貴景勝は膝の怪我で今場所全休。二人とも来場所はカド番だ。強さを取り戻して頑張って欲しい。
感心したのは、元大関の前頭4枚目・朝乃山が、14日目に霧島に勝った時にインタビューで「相手は格上の大関ですし、思い切って自分の相撲を取ることだけを考えました」と話したことだ。朝乃山は謙虚だ。左腕を怪我して途中休場してから復帰し、千秋楽に勝ち越しを決めた。
4日目から横綱・照ノ富士が腰を痛めて休場して悲しかったが、関脇と平幕のバトルを堪能できた。9月の東京・両国国技館でも大混戦を期待したい。やっぱり大相撲ファンはやめられない。